2014/08/26

First people (vol.10)

First Nation のことも、少し触れておきたいと思う

(City of Vancouverから、こんな立派なfreeのFirst Nationの歴史や文化についての冊子が出されている。
中はオールカラーで90ページ。紙もかなり良い。はじめ見たとき立派すぎて驚いた)


First Nation とは、北米にいる先住民のことで、日本だとインディアンという名前の方が親しみがあると思う

彼らは、いくつか種別があるのだが、1番多くの人数をしめているのが、
少し褐色の肌で、顔は凹凸があまりなく、黒髮なのでアジア人に近い顔立ちをしている。(鼻や頬骨は少しでていたりする人もいる。アイヌの人に近い)
なので、一見して白人とは完全に区別できる

First Nation、First people、または、aboriginal people と呼ばれ、もともとは、たくさんの部族に分かれていた。呼称通り、初めから住んでいた民として認識されている。

大航海時代に、インドと間違われたことからindianと名付けられたのだが、
その後、西洋からの侵略、植民地化により、土地の開拓と統治が行われてきた

建前上の共存を主張していたカナダ政府も、先住民にとっては、単なる侵略者でしかない存在なので、折り合いがつくわけもなく、最近のOppenheimer park の件(それについて→ http://fukuchiayako.blogspot.ca/2014/07/homeless-in-vancouver-vol55.html?m=1 )を一つとったとしても、未だに根底を引きずっている気がする

また、政府による過去の政策も、あまり良いものではなかったし、中には完全に失敗とされ、政府が謝罪した件も多々あるが、依然として、訴訟中の案件も沢山ある

Oppenheimer park
(First Nationに対して、国連や人権団体からの目もあるため、カナダ政府は、彼らにあまり強く出れない
何度か立ち退きの勧告を出したが、彼らは元々が自分たちの土地であること、また、政府へのいくつかの自分たちの主張のため、今も陣を組んでいる。
でも、なんか最近は、普通に穏やかなテント村みたいになってて、見た目キャンプ場みたいになってるけど……)


どこの国でも、先住民と後から来た民族との問題は山積しているが、カナダは建国が新しいこともあり(150年くらい)、過去の様々な取り組みや政策の結果が、ちょうど現代に反映されてきている気がする。
(日本にも先住民族の問題がある。しかも、取り組みがかなり遅い。まだカナダ政府の方が動いているのは、他民族国家の国民意識の違いがあると思う。日本は単一民族として棚にあげて、おざなりになっている。)


さて、First Nationは、カナダ全土で54万人
これはカナダの全人口の1.8%
しかし、これは、政府への"登録"人数であって、実際、認められてない部族もいるらしい
"登録"すると連邦法により、"一定の権利や特典、社会保障などを享受することができるFirst Nation"として認められる

1番大きな権利としては、"保留地"と呼ばれる特定の地域が与えられている
この保留地は、カナダ全土で2200箇所以上あり、登録人数の半数以上、605の部族集団が、そういった保留地に居住している

また、この保留地で生活していさえすれば、狩猟や漁業や商いの自由(First Nation 以外は、カナダでの魚釣りは、仕事じゃなくても権利を買わないと通常はできない。)、税金の免除や補助金がでたりする

しかし、大半は地方の辺鄙な場所や、北の極寒地域に指定されていて、中には全く住んでいない所もある

名目上では、First NationもCanadian(First Nation以外)と変わらず、ほとんどの分野の職業につけるが、他国民から比べると、就業率の低さの一方、失業率がかなり高い
また、多くの保留地で、依然として住宅が不十分である

補足だが、カナダに来て、思うことは地名が面白いこと、これは、First Nationが使っていたものをそのまま使っていたりする
(有名な所で、"Canada"は、彼らの言語の"Kanata(村落、集落)"から来ている)

本当に簡易的な説明で申し訳ないが…
なぜ、First Nationの話を出したかというと、Hastingsにいるとかなりの率で彼らを見るのである
Downtownの方では、ほとんど見かけないのに、HastingsのCarrall st.を越したあたりから、通りにいる人の雰囲気がガラリと変わり、First Nationの顔つきをした人(もちろん彼らの中には彼らの伝統的な装飾品をまとっている人も見かける)や、homeless風の人(見た目だとhomelessか否かは、判断しずらい)、drug中毒者などが増えてくる
面白いことに、アジア人のhomeless風の人は、ほとんど見かけないと言ってもいいくらい、存在しない。ここに関してのみは、白人とFirst Nationの率がかなり高い。

VancouverにいるFirst Nationは、Vancouver全人口のわずか2%しかいないのだが、
VancouverにいるHomelessの総計の約30%がFirst Nation であるという、少し悲しい統計が出ている

Hastings界隈に行くと、First Nationを支援する施設や、積極的彼らを受け入れているシェルターや慈善団体も見受けられる。
(East Hastingsの真ん中あたりにある、Aboriginal front door society)

First Nationがこの地域に多い理由として考えられているのは、上記に挙げた就業率と失業率の問題、保留地以外での生活の厳しさ、特に居住問題。(しかし、この時点だと、First Nation以外のhomelessも同じことが言える)
それと、カナダ政府の失敗した政策の傷痕(悲惨な過去として伝えられている政府によるFirst Nationの寄宿学校への教育制度など)もあると言われている。
また、補助金をアルコールとドラッグに使ってしまっているという話も聞く…

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